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COLUMN

コラム

犬・猫の嘔吐におすすめ!「ボミットバスター」の解説

犬や猫の嘔吐におすすめの「ボミットバスター」について、薬剤師目線で分かりやすく説明しますね! 1. ボミットバスターの有効成分「メトクロプラミド」について ボミットバスターの主成分「メトクロプラミド」は、嘔吐を抑える働きと胃腸の動きをサポートする効果があります。 嘔吐を抑えるメトクロプラミドは脳の嘔吐中枢に作用し、吐き気を引き起こす信号を抑制します。これにより、嘔吐を予防します。 胃腸の動きをサポート胃や腸に作用して、アセチルコリンという神経伝達物質を活性化させ、胃腸の運動を促進します。これにより消化機能が改善されます。 2. 簡単に言うと? 「ボミットバスター」は、胃や腸からの刺激やストレスで脳が「吐け!」と指示を出すのを抑え、同時に胃腸の動きも活性化させて、吐き気や食欲不振を改善します。これにより、ペットの元気を取り戻す手助けができます。 3. 副作用や注意点について ボミットバスターは一般的に安全ですが、まれに副作用が現れることがあります。これらの症状が現れた場合は、使用を中止して様子を見ましょう。 副作用の可能性 よだれが多く出る 落ち着かなくなる(不穏) 通常、これらの症状は数時間内に回復します。 アレルギーに注意成分に魚由来の成分が含まれているため、魚アレルギーがある犬には慎重に使用する必要があります。 他の薬との併用他の薬との相性が問題になることは少ないですが、心配な場合は獣医師に相談してください。 4. ワンポイントアドバイス:嘔吐時の受診目安 愛犬や愛猫が嘔吐した場合、次のような状態が続く場合は、動物病院に相談することをお勧めします。 様子を見ても良い場合 1回だけ嘔吐して、その後元気に過ごしている場合。 すぐに受診が必要な場合 嘔吐が繰り返し起きる 元気がなく、ぐったりしている 食欲がまったくない 下痢が続いている これらの症状が見られるときは、早めに動物病院に相談しましょう。 まとめ...

ペットの整腸剤「ビオイムバスター」について解説!

ビオイムバスターとは? ビオイムバスターは、**犬や猫の腸内環境を整えるためのお薬(整腸剤)**です。腸の調子が悪くなると、下痢や便秘、消化不良などの症状が出やすくなります。このお薬は、腸内の「善玉菌」を増やして腸内フローラ(腸内細菌のバランス)を整え、腸のトラブルを改善します。 含まれる成分とその働き ビオイムバスターの主成分は、以下の2つです: 1. 有胞子性乳酸菌 腸内環境を改善する善玉菌を増やします。 腸の中でビタミンやタンパク質を作ったり、食べ物の消化を助けます。 腸内に悪影響を及ぼす病原菌や腐敗菌の増殖を抑えて、健康な腸内環境を維持します。 2. 消化酵素(パンクレアチン) 食べ物(でんぷん、タンパク質、脂肪など)を分解し、消化を助ける酵素です。 消化不良や腸がダメージを受けた時の回復をサポートします。 この2つの成分が合わさり、腸の調子をトータルでサポートしてくれます! どんな時に使うの? ビオイムバスターは、以下の症状がある時に使われます: 食欲不振や消化不良 単純性の下痢(特に慢性的なもの) また、臨床試験でも、慢性的な下痢に対して高い改善率が確認されています。 ディアバスター錠との違い 「ビオイムバスター」とよく比較される「ディアバスター錠」ですが、それぞれ適した症状が異なります: ビオイムバスター錠:慢性的な下痢や消化不良に効果的。 ディアバスター錠:急性の下痢に向いています。 場合によっては、両方を併用することもあります(獣医師の指示に従ってください)。 使用上の注意点 ビオイムバスターを安全に使用するためのポイント: 獣医師の指導のもとで使うようにしましょう。 用法・用量を守ることが大切です。 抗菌剤との併用は避けてください(効果が弱まる可能性があります)。 飼い主さんが誤飲した場合は、すぐに医師に相談を!...

ペットの下痢対策:常備薬としてのディアバスター

犬猫用の下痢止め「ディアバスター」とは? こんにちは!今回は動物病院でよく使われる下痢止め「ディアバスター」について、薬剤師の視点からわかりやすくお話しします。このお薬は犬や猫の急性下痢に非常に効果があることで知られています。 ディアバスターの特徴と成分 ディアバスターには5種類の有効成分が入っており、それぞれが下痢の原因や症状を多角的に改善してくれます。以下に簡単に解説しますね。 1. タンニン酸ベルベリン 主な働き:腸内で分解され、抗菌作用を発揮。腸内の有害細菌を退治し、腸の炎症や異常発酵を抑えます。 特徴:胃腸への刺激が少なく、優しい成分です。 2. 次硝酸ビスマス 主な働き:腸の粘膜や傷ついた部分を保護し、修復をサポートします。 3. ゲンノショウコ乾燥エキス 主な働き:昔から「下痢止め」として使われる生薬で、腸を整え、早く下痢を改善します。 由来:「飲めば効果がわかる=現(ゲン)の証拠」という名前からも、即効性の高さがわかります。 4. 五倍子末(ゴバイシ) 主な働き:植物に含まれるタンニン成分が腸の働きを整え、下痢を改善します。 5. ロートエキス散 主な働き:胃液分泌を抑え、胃腸の異常な動きをコントロール。これにより、下痢や腹痛を軽減します。 臨床データでわかる効果と安全性 実際のデータでは、下痢をしている犬にディアバスターを使ったところ、96.8%の改善率が報告されています。急性下痢への効果が特に高く、安全性も高いのが特徴です。副作用も少ないため、安心して使用できるお薬ですね。 整腸剤「ビオイムバスター」との使い分け ディアバスターと同じメーカーが提供している「ビオイムバスター」という整腸剤との併用も有効です。それぞれの役割を以下のように分けて使います: ディアバスター:急性の下痢に使用(速攻性あり) ビオイムバスター:慢性の下痢や腸内環境の改善に使用(腸を整える) また、中度~重度の下痢の場合には、これらを併用することで回復を早めることができます。データでは、併用の場合、完治までの平均日数が2.75日(単独では3.8日)と短縮されることがわかっています。 ペットの下痢対策:常備薬としてのディアバスター 犬や猫が下痢をする理由はさまざまですが、急な体調不良で動物病院に駆け込むことも珍しくありません。特に急性下痢の場合、適切な処置をすることで早く回復します。...

犬の耳の炎症を鎮める「ミミィーナ」について解説[獣医師・薬剤師監修]

ミミィーナについて解説 今回は、犬の耳の炎症を治療するための点耳薬「ミミィーナ」について、薬学的な観点からご紹介します。犬が耳を痒がるときや、外耳炎の症状が見られるときに役立つ薬です。この記事では、薬の成分や使い方、副作用について分かりやすく解説します。 薬学的な解説:ミミィーナの有効成分 ミミィーナの主成分は ピマリシン です。ピマリシンは、真菌(カビ)の細胞膜に作用し、特に エルゴステロール という成分と結びつきます。この結びつきにより、真菌の細胞膜の透過性が変化し、細胞内の内容物が流出します。その結果、真菌は死滅し、外耳炎の原因となる マラセチア菌 の数が減少します。これが、耳の炎症を改善するメカニズムです。 ピマリシンは真菌に選択的に作用するため、犬の正常な細胞にはほとんど影響を与えません。 簡単に説明すると ミミィーナの主成分である ピマリシン が、耳の炎症を引き起こす真菌の増殖を抑え、耳の症状を改善します。つまり、耳の中で増えすぎた真菌を退治し、炎症を和らげるお薬です。 副作用と安全性 ミミィーナは非常に安全性が高い薬です。臨床試験では、789例中2例(0.25%) の犬に副作用が報告されました。その内容は以下の通りです: 耳の発赤(0.13%) 耳の痒み(0.13%) これらの副作用は一般的に軽度であり、使用を中止すると自然に回復します。このデータからも、ミミィーナは非常に安全で副作用が少ない薬であることが分かります。 使い方のアドバイス 点耳薬を使う際には、いくつかのポイントを押さえておくと、ペットも快適に薬を受け入れやすくなります。 耳を持ち上げる犬の耳をしっかり持ち上げ、耳の穴が見えるようにします。 優しく点耳する背後から優しく耳介に沿わせて点耳します。正面から無理に入れると、犬や猫が嫌がることが多いので、必ず後ろから優しく行いましょう。 褒めてごほうびを点耳がうまくできた後は、犬をたくさん褒めてあげたり、ごほうびを与えたりすると、次回も協力してくれやすくなります。おやつやお散歩など、楽しいことが待っていると受け入れやすくなります。 注意点 ミミィーナは、真菌性の外耳炎 には効果的ですが、外耳炎が非常に重症化している場合や、耳の奥まで炎症が広がっている場合には、薬の効果が十分に発揮されないことがあります。このような場合は、獣医師の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。 また、ミミィーナを使っても効果が見られない場合は、原因が他にある可能性も考えられます。獣医師に相談し、外耳炎の原因を正確に特定したうえで、適切な治療を選択することが大切です。...

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ヒビクス軟膏

今回はヒビクス軟膏について取り上げます。 犬、猫の代表的な塗り薬になります。 まずは成分ですが、 ・チオストレプトン ・ナイスタチン ・フラジオマイシン硫酸塩 ・トリアムシノロンアセトニド  からなります。 それぞれの簡単な説明を薬学的観点からしていきます。 まずは少し専門用語を使って説明しますので、分かりづらい方は次の項の「簡単に説明すると」の部分から読んで下さいね。 チオストレプトンは、ストレプトマイセス属の細菌によって産生されるポリペプチド系抗生物質です。細菌タンパク質の合成を阻害することによる抗菌作用があり、動物の乳腺炎や皮膚炎の治療薬として使用されています。 ナイスタチンはポリエンマクロライド系抗生物質であり、膜ステロールを含む感受性の真菌細胞膜と不可逆的に結合する膜障害により殺菌作用を示します。 フラジオマイシンはグラム陽性菌、グラム陰性菌、抗酸菌、レプトスピラに強い抗菌作用を有する抗生物質で、細菌細胞のリゾホームと結合して遺伝情報の誤読を起こさせることによる蛋白合成阻害を作用機序とします。 トリアムシノロンアセトニドはmediumに属するステロイドです。強さは上から順に ①strongest ②very strong  ③strong ④medium ⑤weak となります。 簡単に説明すると、 チオストレプトンは細菌の生存に必要なタンパク質を作るのを阻害します。タンパク質が合成できない細菌は死滅します。 ナイスタチンは細菌の細胞膜にくっついて、膜の構造を変化させてしまう薬です。その結果、細胞膜を物質が通過する程度が大きく変化したり、細胞膜が傷ついたりして細胞の働きが妨害され、死滅します。 フラジオマイシンも細かい作用機序は異なりますが、タンパク質合成阻害という点ではチオストレプトンと同じ様に細菌をやっつける抗生剤です。 トリアムシノロンアセトニドは下から2番目の強さの比較的弱いステロイドです。 まとめると、4つの有効成分が抗炎症作用、止痒作用、抗真菌作用、抗細菌作用を持ち、皮膚病の局所の治療に優れた医薬品ということです。 副作用ですが、副腎皮質ホルモン製剤として注意する必要があります。副腎皮質ホルモンというのは簡単に言うとステロイドのことです。 この副腎皮質ホルモンの副作用として、内服薬においては多渇症、多尿症、嘔吐、異常な体重増加などが挙げられます。 しかし、外用(塗り薬)だからといってこれらの副作用が出ない訳ではありませんので注意が必要です。ただし、過剰使用しなければこれらの副作用が出ることはめったにありませんので、適切な使用量を心掛けましょう。...

ノミ・マダニ対策の代表薬「フロントライン」について

犬や猫のノミ・マダニ対策に使われる「フロントライン」のご紹介 ノミやマダニの寄生は、ペットにとって痒みやストレスを引き起こすだけでなく、感染症の媒介など深刻な健康被害をもたらすこともあります。そのため、外部寄生虫への対策は重要です。今回は、犬や猫のノミ・マダニ対策として広く使われている製剤「フロントライン」について、薬剤師の視点からわかりやすく解説します。 フロントライン®の仕組み フロントラインの有効成分はフィプロニルという殺虫成分です。このフィプロニルは、ノミやマダニなどの外部寄生虫の中枢神経系に作用し、神経を過剰に興奮させて駆除します。   安全性について 「殺虫成分を犬や猫に使うのは不安…」と思う方もいるかもしれませんが、フィプロニルはノミやマダニには効果を発揮しますが、犬、猫、人には作用しないため、安全性が高いとされています。ただし、どの薬にも副作用の可能性はあるため、使用後に異常がないか注意深く観察することが大切です。 フロントライン®の副作用   フロントラインを使用した際、まれに以下の副作用が報告されています: 皮膚への副作用 発赤(赤み) 痛み かゆみ 脱毛 皮膚の変色やすりむき 消化器系の副作用 下痢 嘔吐 もしこれらの症状が見られた場合は、すぐに使用を中止し、動物病院に相談してください。 フロントライン®の種類と使い方 日本では、以下の2つのタイプが動物医薬品として認可されています: 1. スポットオンタイプ(ピペット滴下式) 使い方:犬や猫の首筋(肩甲骨の間)の毛を掻き分けて、直接肌に全量を垂らします。 効果:投与後24時間以内に成分が全身に行き渡り、ノミ・マダニを駆除します。 2. スプレータイプ 使い方:毛から10~20cm離してスプレーし、毛の根元がしっかり湿るように吹きかけます。 注意点:目や鼻にかからないようにしてください。...